あかちゃんも感じる旨味　～鰹節屋 天満屋商店の考察～

こんにちは。毎度おなじみ鰹節ゴリラこと天満屋商店の清水です。
今回は乳児も旨味を感じることが出来て、離乳期にきちんと旨味を伴った離乳食を与えることがとても大事ですよというお話をしたいと思います。

「人間の舌の凄さ」

私たちが普段なにげなく使っている「旨味」という言葉。これは料理の美味しさを構成する「基本味」のひとつです。
甘みや酸味、苦みや塩味もこの基本味なのですが、これらの味に比べて、多くの人は旨味というものを漠然ととらえているのではないかと思っています。

様々な学者さんが定義してくれていますが、大まかにいうと、「旨味とはグルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸にナトリウムやカリウムなどのイオンが結合した塩類（グルタミン酸ナトリウムなど）の味」とされています。

皆さんはもっと簡単に「タンパク質の中の成分」と覚えておいてください。これを知っておくだけでこの後の話が面白くなると思います。

では旨味の味って何だろう。塩味、甘味、酸味、苦味は想像するだけで舌が反応して、唾液が出たり、それに応じたお料理のイメージが湧いてきますよね。しかし、人間の舌にはしっかりとこの旨味を感じ取る機能が備わっていて、しかも我々日本人は海外の人より旨味を感じ取るこのセンサーがとても敏感で優れているんですよ。

よく言われる旨味の味は「舌を包み込むような味」「淡い繊細な味」と表現されることがありますが、実はこれ、大正解なのです。

旨味を感じて脳から送られる「美味しい」という信号は、料理の味を舌の上で長く広く持続させる効果があり、それに加えて、他の味に比べて唾液を多く分泌させる効果があるのですが、これが「舌を包み込むような味」なのです。

ソムリエがテイスティングするとき、ワインを口に含んですぐに吐き捨てる行為をしていますが、あれは香りの確認とワインの構造を知るためのものなのですが、私はこの行為は旨味がもたらす「後味」をより深く理解するものなのだろうと勝手に推測しています。（笑）

タンパク質を摂取することがいかに大事で健康な体づくりの根幹でもあるということは、昨今の健康志向の世の中、皆さん当たり前の用にご存知かと思います。

先に挙げた「旨味はタンパク質の中の成分」という言葉。タンパク質は数十種類のアミノ酸が構成されて出来ています。そのアミノ酸達が調理や加工されるとバラバラに分解されます。分解されて初めて旨味として感知できるのですが、その中でもっとも多く含まれているのがグルタミン酸やイノシン酸です。

人間の舌の凄いところはここで、体を健康に作り上げていくための本来無味のタンパク質を、きちんと舌で「旨味」として感じ取らせて、脳からより多くタンパク質を吸収しなさいと命令がくだされるのです。

我々が生まれ時から持った機能が、我々の体を作り上げて健康維持を助けてくれている。そう考えるとすごく面白いですよね。

最近の研究では、胃の中でも旨味を感じ取る機能があると言われています。胃の中でアミノ酸を感知して、脳からタンパク質を吸収する信号が体に送られるというものなのですが、すごいですよね。（笑）。最近売られているアミノ酸100配合のプロテインがいかに優秀かを思い知らされます。

「赤ちゃんと旨味」

先に挙げた通り、人間にはもともと旨味をきっちり感じる器官が備わっています。
しかもこの器官、幼少よりきちんと働かせておくと、よりしっかりと機能していくのです。
実は母乳にはめちゃくちゃたくさんの旨味成分であるアミノ酸が含まれているのをご存じですか？
母乳も一種のタンパク質の塊みたいなものですので、アミノ酸が含まれているのは当然なのですが、この中で一番多いものが
旨味の代表ともいえる「グルタミン酸」です。
羊水にもグルタミン酸は含まれていて、乳幼児はそもそもグルタミン酸に慣れ親しんでいるのです。

さて、ここからが大事で、離乳期に入りますと、今まで母乳で簡単に摂取できていたグルタミン酸を含んだアミノ酸群を、食物からの摂取に切り替えないといけなくなります。
我々大人でさえ、日々の栄養バランスを維持するのが難しいのに、赤子となるとより一層気を使いますよね。
そこで、簡単で多くの旨味を含んだ、赤ちゃんの離乳食にぴったりの食品が「昆布と鰹節を使ったお出汁」です。
お出汁や鰹節の成分については詳しく過去の記事に書かせてもらっているので省きますが、ご存知の通りお出汁には多くの旨味成分が含まれています。

しかも塩分・脂質ともにほぼ0。
離乳食用のおかゆや、スープ代わりにこのお出汁を是非使ってください。
先ほど書いたように、旨味を感じ取る器官は、鍛えれば鍛えるほど敏感になり、より多くのアミノ酸を感じることが出来ます。
お子様が大きくなるにつれて、きちんと健康な体を作るタンパク質を効率よく多く吸収させるためにはアミノ酸が必須です。
幼少期よりきちんと旨味を覚えさせて、健康に育てて頂けるよう心より願っております。

今回は少し長々と書いてしまいましたが、大阪鰹節類協同組合には、こういった鰹節や旨味に詳しい会社がたくさん在籍しております。
是非お近くの鰹節屋さんへ気軽に足を運んでみてください。

天満屋商店　　清水　正太

☆天満屋商店ではHP・インスタグラムでお出汁や鰹節を使ったレシピを公開中
詳しくは下記URLまで

天満屋商店HP
https://www.tenmayashouten.com/

Yahoo！ショッピングにて弊社商品発売中
https://store.shopping.yahoo.co.jp/tenmaya-katsuo/

天満屋商店インスタグラム
https://www.instagram.com/tenmaya_katsuo/